きっと僕の事をあの頃よりも分かる気がする。

お前ら量産型のくせにおれをそんな目でみるな。

すれ違う大学生の団体が僕とすれ違う時だけ会話をやめた。僕を通り過ぎた後急に笑い出すあいつらを後ろから刺してやりたくなった。

昨日は丸一日寝ておらず、クタクタで夜勤が終わった後すぐベッドに入っても3.4時間で目が覚めてしまった。相変わらず身体は重かったのでもう1度寝ようと努力したがダメだった。そろそろ身体が重い時の2度寝はできないと覚えたい。でもそう割り切れるはずもなくベッドで目を瞑ってどうでもいいことを考えた。1000万円の使い道とか無人島に1つ持っていくならとか自分のフェチはなにかとかポルトガットスティングレイの悪口をおかずに酒を飲むとか自分の曲の自分のパートを脳内のギターで弾いたりとかこの曲はかっこいいのかとかライブでのセットリストとか新曲の構成とか…

時間が経つにつれてどんどん余計眠れない事を考えてしまっていて目を開いた。身体が重くて指一本動かしたくなかった。ベッドに変な体勢で仰向けになって目を開けている自分を客観的に見て可笑しくなった。まるでマネキンのようだった。もうマネキンの事も考えるのが嫌になって考える事自体をやめた。その思考こそが完全にマネキンだったとその時は気付かなかった。だってなにも考えていなかったから……

 

人生なんてそんなもんだといつものカフェに向かう道で声にでるか出ないかぐらいの小さな音で独り言を言った。後ろの大学生はゲラゲラ笑っているけれどお前らは考える事をやめた思考自身がマネキンだと気付いていないのと同じだと思った。お前らは何にも気付いていないんだと。おれは違うと思った。いや、願った。憂鬱なままカフェでコーヒーを飲みながらじゃあおれは何に気付いていないのか考えた。答えなど出るはずもなかった。答えが出ないまま憂鬱に時間を過ごしていたら愛ちゃんから今晩飯に行こうと連絡が入った。こうゆう時に気軽に会える友達が少なくともいる事に少し救われた。気分が億劫になっている時は人に会うのが1番だとどっかのバカが偉そうに鼻高々に話しているのを聞いた事があった。当時は人になんて絶対に会いたくないほど衰弱しきっていた僕はテレビに映った汚い金で汚く肥えた白髪のジジイに殺意さえ抱いた。こうゆう奴が国民の賞賛を受けているのをみておれは人間じゃないのかとかその時はまじで思った。だが少なくともおれは人間になったらしい。今は人にあって生きた人間の目を見たかった。その輝きを少しでも分けてもらうために。でなきゃやりきれなかった。コーヒーを8割ほど飲みきったところで初めて顔をあげて外の景色を見た。雨が降っていた事に今更気付いてなんだか笑えた。