そろそろ帰ろうかな

西の空が真っ赤になっていた。

1人で地べたに座ってなにをするわけでもなくただただ変わっていく空を眺め続けた。

 

京王線は綺麗に東から西に続いていて線路沿いを西に向かって歩いた。周りは建物が立ち並んでいて見通しが悪かったが線路の一本道は綺麗に夕日に向かって直線を引いていた。踏切を渡る人は皆西の方角を見つめた。スマホで写真を撮る人もいた。僕はこのまま線路を歩いてみたい衝動に駆られた。それほど美しい光景だった。桜上水駅まで着くと空はオレンジから赤色に変わっていた。少し上の空は群青色と混ざって紫色をしていた。

駅の近くになにもない広場があって久しぶりに大きな空を見る事ができた。

 

眺めている方角に自分の故郷があるなんて考えてしまってその内実家に帰ろうかなと思ったりした。元から捻くれてはいたけど最近はなんだか更にそれも増してきた気がして凄く地元の奴らに腹が立つ。いつまでも内輪の中で仲良く和気あいあいとしている雰囲気がどうにも好かない。ろくに好きな奴でもないのに定期的にみんなで酒を飲んだり面白くもない様な事でわちゃわちゃして何が楽しいのか。謎に大阪帰ってきた時にまた飲みにいこうとか言われるのもうっとおしい。

結局はおれが自分に合わないと思う様な奴にでも広く浅く皆んなに笑顔を振りまいてしまったせいだろうとゆう結論に至る。そんな事を我慢してしまったせいでふとした時に物凄い空虚な感覚に襲われてしまう。結局地元に帰って会いたいと思う人なんて大阪に1人と高校の時好きだった子ぐらいだし。

 

 

気付けば空はすっかり暗くなっていて遠くの方でかすかに雲がオレンジ色をしていた。それでも何だか歩き出す気になれなくてしばらくそこで雲を眺め続けた。時々前を横切って行く人もどう考えても不自然に僕に後頭部を見せる。散歩している犬だけはちゃんと僕の方をじっと見つめながら横切っていった。別に構いやしないし自分がそっち立場でも目なんて合わせやしないと思ってなんだかよく分からない感情になった。ちょっとしてなんとなく疲れてその場を立ち上がって歩きだした。

 

 

そろそろ帰ろうかな。