鋭い霜月の夜にて

すし詰めの人のせいでくもった電車の窓ガラス。ブタ箱。醜いほどに自分勝手な大人達。外から身体を強引に押し付けられて痛かった。

 

鋭い空気が僕の体温を少しずつ奪っていった。

初めて接する人に挨拶。

無愛想にベック。誰か歌っていたのを思い出した。

 

仕事を終え疲弊しきった身体にムチをあてレコーディングへ向かう。なんだかんだ音楽を愛してしまっているのだろう。

 

12時半頃に終了。終電はとうに無くなっていた。れんたろうと家まで30分かけて夜の東京を歩いた。相変わらず鋭い空気が漂っていた。今日も誰かのゲロがキラキラ光っていた。

 

まっすぐな性格を文学的に表現するのは誰にでもできる事ではないだろう。

白状な凡人は不満を垂れつつ気恥ずかしさを抱えて、そう思いながら眠りについた。